江戸東京博物館に「ごんぎつね・つるのおんがえし」を、親子三人で見に行った。





どちらも古典的な作品だが、子供が見て飽きないように少しミュージカル仕立てになっていた(ほんの少しだけですが)。劇団東少というところが舞台化したもの(http://www.tohshou.jp/)。


  演出がどうであれ、こういう古典は心を揺さぶるものがあるはずだが(私も妻も面白く見た)、それは大人の場合であって、子供にはどう映るのかよく判らない。私の子供は、感想を聞いても言葉を濁すだけだった。たぶん「つるのおんがえし」は非現実的に見えて感情移入が難しかったろうし、「ごんぎつね」のほうは、あっけない幕切れで「だからどうしたんだ」という感想しか湧かなかった? あるいは、もっと複雑なものが心中に去来してはいたが言葉にならなかった? まあ、後者にしておこうか。でも、二つの作品に共通する「哀切」のような感情は、子供にはまだ縁遠いものだから、仕方ないか。

  『ごんぎつね』の作者の新美南吉は『赤い鳥』に依拠した児童文学者だが、『赤い鳥』 周辺には、もっともっと広く知られて良い作者や作品がたくさんありそうだ。だから、それをこうして判りやすい形で広めようとしている劇団もでてくるわけだが・・・。

  しかし残念ながら客の入りは芳しいものとは言えなかった。5割程度だったろうか。芝居を見ながら、児童向けの劇団に携わっている人々の無償の情熱や、きっと数多くあるに違いない苦労に思いを馳せることが度々あった。もう少し、うまく宣伝するとか、何とかならないものだろうか。

 



( ルール違反なのだが、最後のカーテンコールのところを携帯でパチリ(残念ながらボケている))。