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なぜ女性は男性よりも頻繁にストレスに苦しむのか? [海外メディア記事]

 ウツ病にかかる男女の割合は、女性が男性の二倍近いというデータをどこかで読んだ覚えがあるので、見出しにつられて訳しました。

 難しい専門用語をまったく無視してこの記事を単純化すれば、ストレスがかかる状況にオスはすぐ慣れてしまうが、メスは慣れるのに時間がかかる、ということです。進化の過程で、食料の確保などストレスのかかる仕事はオスが分担してきたことの反映でしょうか?

 ただし、この記事はこういう結果がラットに即して発見されたというにすぎないので、これを一般化して人間にも当てはめるのは早計というものでしょう。

 ドイツ『シュピーゲル』誌の記事より。


http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,700898,00.html



「 なぜ女性は男性よりも頻繁にストレスに苦しむのか?    

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 女性は男性よりもストレスに弱い―――しかもそれはどうにもならないらしいのだ。なぜなら、研究者がラットで発見したように、女性の脳はストレスホルモンの放出に対して、男性よりも過敏に反応するからなのである。



 元来、ストレス反応は、サバイバルにとって重要な意義深いメカニズムである。危険な状況に直面するとき、ストレス反応によって、ごく短時間のうちに、身体は極度の緊張状態に陥る。心拍数が高くなり、呼吸が速くなり、筋肉が張りつめる。それによって、人間にせよ動物にせよ、状況次第で即座に、攻撃に移行したり、じっとしていたり逃走を企てたりできるのである。


 今日の成果主義的な社会でのストレスは別の原因をもっている。しかもストレスは絶えず増加していて、ますます加速する速度でますます多くの成果が求められるようになった。良く知られているように、過度のストレスは身体にも精神にも影響を及ぼす。心臓の病気、頭痛や腰痛、睡眠障害、不安、ウツ状態などはその影響のわずかな例にすぎない。その際はっきりしていることは、女性が男性よりも頻繁に不安障害やウツに見舞われるということである。フィラデルフィアのチルドレンズ・ホスピタルの研究者たちはそれを説明するかもしれない原因を発見したらしいのである。


 その研究によれば、女性が男性よりも頻繁にストレスに襲われるとしても、それはどうしようもないというのである。リタ・ヴァレンチノとその共同研究者が専門誌『分子精神医学(Molecular Psychiatry)』で報告しているように、ストレスがかかる状況のもとで脳の中に生じる生化学的過程は、両性間ではっきり違っているというのである。女性の脳はストレスホルモンの放出により過敏に反応するばかりでなく、高レベルのストレスが続く場合男性の脳に現れる習慣化の作用が女性の脳には現れないらしいのである。


 
 もちろん、こうした現象を科学者はこれまでラットで調べたにすぎない。彼らの認識が人間にも当てはまるかどうかは、これからの研究課題だと彼らは言う。


 これまでの研究でもすでに指摘されていたことだが、ストレスとの関連で生じる心的障害をもった人間の場合、いわゆる副腎皮質刺激ホルモン放出因子(Corticotropin Releasing Factor (CRF))の調整が正しく機能しないのである。このホルモンは、間脳にストレスについての情報が入りこむとき、間脳で作られる。おまけに、CRFはさらなるホルモンの形成にとっても重要であり、したがってストレス反応にとっても重要な役割を果たしている。


 ヴァレンチノとその共同研究者は、ラットを泳がせることによって、オスのラットとメスのラットをストレスのかかる状態に置いた。その実験の前後で、CRF分子が、脳中のCRF受容体とどれほど結合しているかを調べた。

 その実験で彼らは二つのことを観察した。一つは、メスの脳におけるCRFとその受容体との結びつきは、オスに比べてずっと緊密である、ということだった。他方で、オスの脳には、ストレスの体験の直後からすでに習慣化の作用が生じていたのだが、それはメスの脳ではずっと後になってからやっと生じた、ということだった。CRF受容体の一部の働きを阻害する細胞があって、それによってストレス反応が目に見えて弱くなるのである。それゆえ、ヴァレンチノは次のように薦めるのである。「ウツ病の治療薬としてCRF拮抗薬を研究している薬理学者は、こうした両性間の違いを顧慮すべきでしょう」。





































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