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培養肉が商品化に近づく [海外メディア記事]

 培養肉が商品化に近づいているようだ。採算の問題はまだありそうだが。『シュピーゲル』誌の記事を紹介。  

 US-Behörde gibt grünes Licht für Laborfleisch
 

18.11.2022, 16.49 Uhr

 https://www.spiegel.de/wissenschaft/usa-behoerde-haelt-laborfleisch-fuer-sicher-a-53696696-70bc-4b19-93ef-b1761f1cdc90



「 米国食品医薬品局が培養肉にゴーサインを出す

 米国ではもうすぐ人工的に培養された肉が利用できるようになる? 米国のメーカー「アップサイド・フーズ」は、バイオリアクター(発酵槽)由来の鶏肉で最初の成功を収めた。

 18.11.2022, 16.49

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 動物が死ぬ必要はもうない。環境は保護される。実験室で生産される肉はそう約束している。だが安全なのか? たしかに安全であると米国食品医薬品局 (FDA) は判断した。FDAの声明 によると、カリフォルニアの企業の培養肉は「別の方法で製造された同等の食品と同じくらい安全」である。動物細胞から培養された肉を人間の食用に問題はないと当局が格付けたのはこれが初めてである。

 推定によると、食料生産は、気候に有害なガスの人為的排出の3 分の1を引き起こしており、特に大きな比率を占めるのが食肉生産である。牧草地と農地は、地球の居住可能な土地の約半分を占め、淡水の供給量の約70%を消費している。人工的に製造される肉が流通するようになれば、気候のバランスは改善し、動物は殺されずに済むようになる。


 良心が痛まない消費?

 アップサイド・フーズ社は細胞培養でニワトリを繁殖させている。この目的のために、生体から細胞を採取し、その細胞が、「バイオ・リアクター」と呼ばれるステンレス鋼のタンクで肉に成長する。そのために動物は死ぬ必要はない。

 アップサイド・フーズ社は、 いわゆる市販前協議をFDAに求めた。製品の安全性に懸念があるかどうかを、食品局の専門家が独自の観点からチェックするわけである。FDAから評価されれば承認というわけではなく、米国農務省によるさらなる検査が必要となる。培養肉が市場に出回るまでには、まだ少なくとも数か月かかる。

 代替肉は活況を呈している。投資家は、年間数億ドルをこのビジネスに注ぎ込んでいる。しかし実は、市場に出回っている代替肉のほとんどすべては植物ベースのもので、培養肉は生産が難しく、高価であると見なされている。8年前に作られたハンバーガーのパテは25万㌦もした。これまでのところ、培養肉の収益性の見通しに関する研究はまだわずかしかない。


 三ヶ月後には出荷が可能

 これまでのところ培養肉を消費者に販売できる唯一の国はシンガポールだけである。そこでは実験所由来ののチキンナゲットが17㌦で売られている。アップサイド・フーズ社の製品が承認された場合どれくらいの値段になるかは明らかになっていない。


 同社が培養するニワトリ細胞は、動物飼料にもあるアミノ酸、脂肪、糖、塩、ビタミン、微量元素を含む独自に開発した養分の培養基で育成される。同社のウェブサイトによると、肉は三ヵ月後には出荷が可能になる。その後、肉は育成される容器の形に成形されるが、色は通常の肉よりも少し明るいが、その他の点では生肉に似たものとなる。

 FDAによると、培養肉を開発しているのはカリフォルニアの企業だけではなく、同様の申請書を提出した企業は他にもあるという。 その中には、海洋生物からシーフードを培養しようとしている企業もあるという。「世界は食品革命を目の当たりにしており、FDAは食品部門のイノベーションを支援する義務がある」とFDAのロバート・:カリフ氏は述べている」(おわり)。












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