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ジャンクフードはヘロインと同じ中毒性がある [海外メディア記事]

 「ジャンク・フード」が健康に良くないということは誰でも漠然と知っていることだと思うが、(ジャンクフードに由来する)肥満と麻薬中毒の根底には同じメカニズムがあるという発見は、結構、画期的なことかも。
 かつて、タバコの危険性が説かれたとき、その「中毒性」が引き合いに出されたものだが、それと同じ理屈からすれば、ジャンクフード排斥運動が起きても不思議はないはず。まあ、そんなことは起こらないだろうけど。

 しかし、それにしても、電気ショックの恐怖にも勝ってしまうとは、ジャンクフードのすごさを再認識させられた。


 イギリス『インディペンデント』紙の科学専門の看板記者Steve Connorの記事より。  
 
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/health-news/junk-food-could-be-addictive-like-heroin-1929982.html


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実験用ラットは、ソーセージ、ベーコン、チーズから作られた高カロリーの軽食に対する欲求を満たすためならば痛みを伴う電気ショックでも我慢するという研究結果が発表されたが、それによれば、ジャンクフードはヘロインやコカインと同じように中毒性があることになりそうだ。

 脂肪と糖分を多く含む「カフェ・スタイル」の食事を出されると、ラットたちは強迫的な過食に駆り立てられ、ヘロインやコカイン中毒が人間の脳にもたらす異常によく似た神経化学的な変化を脳にもたらすことを、科学者たちは発見した。

 この発見は、エネルギー集約的な食品(=肉が代表的な例)のなかには、人間に対して強迫的な過食と肥満を誘発し、ダイエットによってはほとんど克服不可能な一種の食品中毒を生み出す、という考え方を裏づけるものである。


 研究者らは、ジャンクフードを与えられたラットたちはすぐそれに執着するようになるので、それを食べるためには、痛いが害のない電気ショックを足に流されても、それに耐えることを発見した。そういうラットは、ジャンクフードを食べたことのないラットが食べるげっ歯類特有の食べ物である「サラダバー・オプション」を提示されても、それを食べるくらいなら餓死したほうがましだというそぶりを見せたという。

 科学者たちがジャンクフード・ラットの脳を分析したところ、彼らは、人間のうちに薬物中毒を引きおこすのに関与していることが知られているキーとなる快楽報酬システムが過度に刺激されていて、脳内で感じられる(麻薬中毒と同じ)化学的に「ハイな」状態を味わうために、ラットたちはますます多くの食べ物を食べるようになることを発見した。

 「この研究は、薬物中毒と肥満が根本的に同じ神経生物学的メカニズムに基づいているという最も完全で異論の余地のない証拠を提示するものです」。そう述べるのは、フロリダ州ジュピターにあるスクリップス研究所のポール・ケニー教授。

 「ラットたちは食の行動に対するコントロールを完全に失っていましたが、これは中毒の何よりの特徴なのです。ラットは、電気ショックを受けるだろうなと予想できるときでも過食を続けましたが、このことは、ラットたちがジャンクフードをどれほど食べたがっているかを浮き彫りにしているのです」。

 『ネイチャー・ニューロサイエンス』に発表されたこの3年間に及んだ研究は、人間の肥満に貢献することが知られている高カロリー・高脂肪食品に基づいた食事をラットに対して再現しようとしたもの。ソーセージやチーズケーキなどのご馳走を食べるようにラットを習慣づけるのは簡単だった。

 「ラットたちはいつも最悪のタイプの食べ物に向かいました。そして、その結果として、彼らは普通に餌づけされたラットの2倍ものカロリーを摂取したのです。私たちがジャンクフードを外して、栄養バランスの良い食事――私たちが「サラダバー・オプション」と呼んだもの――を出すと、彼らは、どうしても食べようとはしなかったのです」とケニー教授は語った。

 「食事の変化はとても大きかったので、ジャンクフードから遮断させられてからの2週間、ラットたちはいつも空腹状態でしたよ」。

  ジャンクフードに対して中毒的な振る舞いを示すラットたちは、線条体と呼ばれる脳の部分のドーパミンD2受容体が、通常のラットに比べて少なかった。これらの受容体はドーパミンへの反応を引きおこすもので、ドーパミンは、食事やセックスや麻薬のようなものに快感を感じることに関わっている脳神経細胞間に信号を伝達する神経化学物質である。

 人間の脳の線条体にD2受容体が少ないことは、薬物中毒とも肥満の遺伝的素因とも関連がある。ラットの場合、受容体の低下を補おうと、ラットたちはもっと多くのジャンクフードを食べて、敏感でなくなった快楽報酬の経路に刺激を与えるのだと、ケニー教授は語った。

 「食の好みにおいてジャンクで不健康な食生活へと最もシフトしていたのは、脳の報酬回路に「故障」があるラットでした。こうしたラットは、電気ショックを受けるだろうと予測できるときでも食べ続けていたラットでした」と同氏は言った。

 「動物が非常にジャンクな食事で脳内の快楽中枢を過度に刺激すると、生体はその活動を減らすことで順応するものなのです。しかし、いまの場合、ラットは、再三訪れる負の報酬の状態に入り込むことを回避するために、ジャンクな食べ物からたえず刺激を求めようとするのです」。

 ケニー教授はつぎのように付け加えた。「これらの発見は、私たちや他の人々が疑ってきたことを裏づけるものです。つまり、非常においしい食べ物を過剰に摂取すると、脳の報酬回路のうちに中毒に似た神経の適応反応を引きおこし、強迫的な摂食の発展を促すのです」。

 通常のラットのドーパミンD2受容体をウイルスによって減少させると、そのラットはすぐに、ジャンクフードを与えられたラットに見られたのと同じ中毒のような行動を示した。「肥満と薬物中毒の根底には共通のメカニズムがあるのかもしれません。私たちの知る限り、今回の研究は、ジャンクフードの過剰摂取は、麻薬の摂取と同じ仕方で、そしてそれと同じメカニズムを通して常習的なものになりうるという考え方に対する最強の裏づけなのです」とケニー教授は述べた」。








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