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肉を食べる代償 [海外メディア記事]

 『ニューヨーク・タイムズ』誌の健康欄から、やはり肉食は健康に悪いらしいという研究結果(しかし、確定的とは言えない)がでたことを伝える記事を紹介します。なにげに気になるのは、赤身肉もさることながら、ソーセージ類はそれよりはるかに悪いらしいと示唆されていること。子供によく出しますからね・・・


http://www.nytimes.com/2009/04/28/health/28brod.html?em





赤身の肉を好んで食べる代償

 
 赤身の肉が普通のアメリカ人にとって贅沢だった、あるいは少なくとも特別なものだった時代がかつてあった。日曜日の晩の食事に肉をローストしたり、レストランでステーキを注文したりすれば、後はもう何もいらないという時代が。合衆国では、肉の消費量がこの50年間で2倍以上になった。

 さて、50万人以上のアメリカ人を対象にした新たな研究が示す最良の証拠によれば、赤身の肉に対する嗜好のために、われわれは健康に対して高い代償を支払ってきたし、寿命の延びも制限されてきたというのである。

 
 その研究によると、他の条件を等しいとした場合、赤身肉や加工肉を非常に食べる男女は、それよりも肉の消費量がずっと少ない人々に比べて死期が早い、とくに二大死亡原因である心臓病とガンのどちらかに罹って死亡する時期が早いということが判った。

 10年に及ぶこの研究の結果は、『アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン』3月23日号に掲載された。アメリカ国立ガン研究所の栄養疫学研究者ラシュミ・シンハを責任研究者とするこの研究は、国立衛生研究所による退職者協会に対する食事と健康研究に参加した、50歳から71歳までの322,262人の男性と223,390人の女性を対象とした。参加者は皆、喫煙、運動、アルコール摂取、教育、サプリメントの使用、体重、家族のガン罹患状況などを含む、食事や他の習慣や性格についての詳細なアンケ-トに答えていた。



 リスクを決定する


 10年間で、47,976人の男性と23,276人の女性が亡くなったが、研究者は各々の死亡の時期や理由を跡づけ続けた。赤身肉の消費量は、一日平均1オンス以下から最高4オンスまでにわたり、加工肉の消費量は、せいぜい週1オンスから、一日平均1.5オンスまでにわたって等級づけられた。

 肉の消費量のレベルが高くなるにつれて上昇する死亡リスクは、約20パーセントから約40パーセントまでが「中くらい」として記述された。高い肉消費量に帰されうる過剰死亡の数値は、アメリカの人口の規模を考えるならばきわめて高いものであった。


 この新たな研究を、研究対象になった年齢層のすべてのアメリカ人に当てはめてみると、赤身肉と加工肉の消費量を減らせば、10年間で、100万人の男性と約50万人の女性の死亡は防げたはずであると、この研究の総論を書いたバリー・ポプキン博士が準備した評価値は語っているのである。


 ポプキン博士があるインタビューで提案していることだが、赤身と加工肉に関連する早すぎる死を防ぐには、ハンバーガーならば、毎日ではなく週に一回か二回だけ、小さなステーキならば一日おきではなく週に一回、ホットドックならば、週に一回ではなく、一ヵ月半に一回にすべきである。


 菜食主義者でないならば、赤身肉ではなく、鶏肉や魚を考慮に入れたほうがいい。この研究では、鳥と魚の「白身の」肉を最もよく食べた人は、わずかながら寿命を延ばした。同様に、果物と野菜を最も食べる人々はより長く生きる傾向があった。


 地球全体の幸福に関心を持つ人には、赤身肉の消費を減らす理由がもっとある。ノース・カロライナ大学で疫学を教えるポプキン博士によれば、食料としての家畜に依存する割合を減らせば、環境汚染や、地球温暖化や飲料水の枯渇などの破壊的な影響から地球を救うことに寄与するかもしれないからである。


 「合衆国では、家畜生産は、土地浸食の55パーセント、殺虫剤使用の37パーセント、抗生物質消費量の50パーセント、水面に排出される窒素とリンの総量の3分の1が、家畜生産によって引き起こされている」とポプキン博士は書いている。




 真の犯人を探す



 こうした観察・研究から生じる疑問は、実際肉が危険なのか、それとも肉を食べることに結びついた別の要因が死亡率を高める上での真の犯人なのかという疑問である。この研究で、赤身肉をもっとも食べた被験者は健康的とは言いがたい別の習慣ももっていた。彼らは、別の被験者よりも喫煙をしていたし、身長のわりには太りすぎだったし、カロリーでも脂肪の総量でも飽和脂肪でも消費量が多かった。彼らは、果物や野菜や繊維質の摂取量が少なかった。ビタミンのサプリメントの摂取量も少なかった。運動量も少なかった。

 
 しかし、肉の消費と関連づけて死亡率を分析する際に、ガン研究所の研究員たちは、これらすべてのことや、死亡率に影響を及ぼしうる他の多くの要因を、慎重に考慮に入れていた。大豆のような植物源や完全な菜食料理からたんぱく質をより多く得ることから生命を守るどんな恩恵が由来するのかという問題については、今回の研究データはまだ分析されていないので決定できない。

 
 この結果は、肉の割合の高い食事を生命を脅かす健康問題に結びつけた近年の別のいくつかの研究結果と符合する。最も初期の研究は、赤身肉の飽和脂肪と、動脈に損傷をきたすコレステロールの高い血中濃度やその後に起こりうる心臓病との関連に焦点を合わせたのだが、その結果多くの人がもっとやせた肉や皮のない鶏肉や魚を食べるようになった。このことは、乳脂肪の摂取量を減らすなど他の食事上の変化とあいまって、血中コレステロールの平均値の全国的な減少につながったし、心臓病による死亡率の減少にも貢献した。


 シンハ博士と共同研究者の報告によると、心臓病のもう一つのリスク要因である高血圧もまた、赤身や加工肉をより多く食べることに関連していることが示された。


 鶏肉と魚は赤身肉ほど飽和脂肪を含んでいないし、魚は、いくつかの大規模な研究において心臓に良い物質に結び付けられたオメガ3脂肪酸を含んでいる。たとえば、週に脂肪性の魚を二食分食べる男性は、心臓病で死亡するリスクが50パーセントも低いことが判明したし、84,688人の女性を対象にした『ナース・ヘルス研究(Nurses' Health Study)』では、週に少なくとも一度は魚やオメガ3脂肪酸を豊富に含む食べ物を食べた人は、心臓病のリスクを20パーセント以上も減らしたのである。



 ガンとの関係

 肉以外の食材からたんぱく質を得ることは、また、ガンのリスクを下げることに結びつけられてきた。肉が調理されるとき、とりわけ高温で焼いたり網焼きにした場合、発ガン物質が肉の表面に形成されることがある。ソーセージ、サラミ、ボローニャ・ソーセージのような加工肉には、普通、ニトロソアミンが含まれている。もっとも、今では、発ガン物質のない製品も手に入るようになったが。

 『ヨーロッパにおけるガンおよび栄養面での予測研究(European Prospective Investigation Into Cancer and Nutrition)』の試験参加者100万人からのデータからは、もっとも魚を食べることが少なかった人は、一日に1.75オンス以上の魚を食べる人に比べると、結腸ガンになるリスクが40パーセントも高いことが判明している。同様に、大規模な『セレニウムとビタミンEの癌予防効果試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial)』において赤身肉を多く含む食事が前立腺ガンのリスクの増加に結びつけられたが、その研究に参加した35.534人の男性のうち、週に少なくとも三食分の魚を食べていた人は、魚をめったに食べない人に比べて、進行性前立腺ガンになるリスクは半分だった。


 19.500人以上の女性をランダムに選んで低脂肪の食事をしてもらった別の研究では、通常の食事をしている29.000人の女性に比べて、低脂肪の食事をしていた女性では卵巣ガンになるリスクが40パーセントも減ったことが、8年間の研究の結果判明している」。












 

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