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ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street) [海外メディア記事]

 いつの間にか、巨大な運動に拡大しつつある「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動。土曜日には700名の逮捕者が出たようで、それが今日の欧米各紙で大きく報道されているが、しかし、ここでは最新の記事ではなく、少し古いが、この運動を最初に伝えた9月21日付けのイギリス『ガーディアン』紙の記事を紹介する。


 アメリカの不平等は目もくらむほど酷いものだ。たとえばこのブログの記事『アメリカ経済は非常に悪い』に出てくる図を見られたい(http://shin-nikki.blog.so-net.ne.jp/2010-08-18)。その酷い不平等が、リーマンショック以降さらに加速することはあれ是正される気配がないことに、ついにアメリカ国民が立ち上がったと言えるのだろうか?  

 この運動は、アラブ革命と同様、ネットでのライブ配信やSNSやツイッターの分厚い支援を受けているので、そう容易に崩れることはないだろう。成り行きがどうなるか個人的にとても注目したい。



Occupy Wall Street: the protesters speak


Posted by Paul Harris Wednesday 21 September 2011 20.47 BST guardian.co.uk

http://www.guardian.co.uk/world/blog/2011/sep/21/occupy-wall-street-protests





「 
  ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street): デモ参加者たちは語る
 
 マンハッタン南端にキャンプ地を作った反-資本主義のデモ参加者たちはこの地域の常連になりつつある。


 マンハッタン南端を行進する反資本主義のデモ隊。写真:ジョン・スタットル

1.jpg
 

 ケーシー・オニールに悔いはなかった。彼はアメリカ国内で何千マイルにもおよぶ旅行をし――そしてカリフォルニアのデータ管理会社で高給をとっていた仕事は辞めてしまったが、それもこれもマンハッタンの中心にある公園で、降り続く雨とますます肌寒くなる夜の中で野宿するためだったのだ。警察は、毎日彼のことを警戒し続けている。


 しかし、オニールは「ウォール・ストリートを占拠せよ」の抗議活動の一員でいられて幸福だった。この活動はニューヨークのズコッティ公園(Zuccotti Park)を、ウォール街で働く人々がサンドウィッチをつまむ場所から、革命家や社会主義者やアナキストや多数の「ちょっと-世の中に不満-なだけの人々(just-plain-annoyed)」などからなる非公認のキャンプ場に変えてしまったのだ。



 「後悔? ないよ、全然ないね」とオニール(34)は言った。「そりゃ、ちょっとは怖いよ。でも誰かがこれをしなくちゃいけなかったんだ。今じゃ驚くほどの盛り上がりだよ」。 オニールは、公園のコンクリートのベンチで寝ていても幸福だ。「大丈夫だよ、本当にね」と彼は言った。


 オニールは広場で野営しているグループの一員だ。このグループはいい加減なように見えるが、実は高度に組織化されていて、急速にマンハッタンの中心部の生活の常連になりつつある―――もし警察がこの活動家たちがここにとどまるのを許すとすれば、だが。


 病院に担ぎ込まれた一人の女性を含めて、何人かの活動家が強制的に逮捕され連行された火曜日の時点では、そんな風になるとは思えなかった。しかし先週末にウォール街で行われたデモ行進から始まった抗議活動は、今でも続いている。


 この抗議活動は広範な反-資本主義のデモに変貌し、それが今では世界中からの注目――と支援――を集めるようになったのだ。戸惑う銀行員や建設作業員やウォール街で働く人々が毎日そばを通ると、立ち止まってはまじまじと見入り写真を撮っていく。時には、見るべきものがたくさんあったりするのだ。例えば今日は、ズーニー・ティッカ(37)が、何人かの友人と一緒に上半身裸で抗議活動を行っていたのだ。



 「資本主義は機能していない」と主張するポスターを背にして胸を露わにしたままの姿で、彼女は興味深々の見物人たちのために嬉しそうにポーズをとっていた。衣服を着ていないのは一種の比喩なの、と彼女は説明した。「私はシャツを買えないの。ウォール街が私たちの背後からシャツを奪っていってしまったの」と彼女は言った。


 こうしたカーニバル的な雰囲気がこの抗議活動のあり方をよく示している。アメリカの資本主義の牙城に対する暴力的な攻撃を期待する(あるいは、それを恐れる)人なら誰でもひどく失望するだろう。そうする代わりに、数百人の活動家が、毎朝毎晩、ニューヨーク証券取引所の近くをデモ行進するのだ。

 「自由なマーケットなんて糞喰らえ(Free Market My Ass)」とか「でか過ぎて潰せないは失敗した(Too Big Has Failed)」といったプラカードを持ちながら、彼らはトランペットを鳴らしたり、太鼓をたたきスローガンを唱和する。彼らは、警官を一列に配したバリケードに囲まれながら、ウォール街のあちこちを練り歩き、そしてズコッティ公園のキャンプ地に戻るのだ。



 ウォール街で毎日行われるデモ行進の模様を伝える動画

 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=n32CVusD9ls

 




 そして、彼らはワークショップや非公式のコンサートや様々な抗議のパフォーマンス(ヌードのデモのような)を開催して、一日を過ごす。彼らは訪問者や観光客を歓迎し、警察の要請には従おうと努めている。



 毎日「総会」が開かれるのだが、そこでは様々なテーマやイベントが誰でも参加できる討論や議論で話題になる。「指導者がいない状況です」とトーリン・カリスト(37)は言った。彼は、それでも、秩序だった活動にしようと努力している小さなコア・グループの一員である。



 なぜこの活動に参加しているのかを説明する活動家の一人トーリン・カリストの動画

 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=qJR7fv_hc0g



 この抗議活動は幅広い支持を集めているし、高度なソーシャル・メディアの戦術をもっている。ネット上にライブで映像を流しているし、ツイッターでの人気もすごい。世界中の支援者が、抗議活動家がお腹をすかせないために、地元のピザ屋に注文を送ってくれる。実は、注文があまりにも多かったので、主宰者の中には、食べられないほどピザを注文するのは止めてくれと頼んだほどなのだ。いまでは、支援のほとんどはお金という形や――こっちのほうが大事なのだが―――より多くの人々が駆けつけるという形をとっている。

 

 「世界中の人々が寄付してくれてますよ。車を相乗りしてウィスコンシンやカリフォルニアやフロリダから人々が集まっています。彼らは「もうちょっと待って、いま行くからね」と言ってくれました」。長い道のりをかけてやって来た女性にベッキー・ワーテル(24)がいる。彼女はメイン州でマッサージ・セラピーを開業している。「私は小さい会社のオーナーなの!」と言って、彼女は笑った。ちょうどウォール街のデモ行進から帰ったばかりのところだった。



  この抗議活動に参加した理由を説明するベッキー・ワーテル

  http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=22VaaD9CZiI



 「みんながここで抗議しているのは、アメリカの全人口の1%がこれほど多くの富を意のままにしているという事実に対してなの。私たちは社会の残りの部分よ。私たちは99%なのよ」と彼女は言った。



 上に掲げた動画画面には幅のある意見が述べられている。ある者は抗議活動をライフスタイルにしてしまった旅行者だ。ある者は学生だ。またある者は、オニールやワーテルのように、空いている時間を利用して参加した社会人だ。どれくらい長くズコッティ公園にいることになるのか、知っている者は誰もいない。


 多くの抗議活動と同様に、事態が進んでいくにつれて、進化していくことになるかもしれない。同じことが、抗議活動を行っている人々の目的にも言えるかもしれない。「僕たちははっきりしたゴールを持っているわけではありません。ひと月はここにいたいと思ってますよ。漠然としたゴールですね。もっと長くなるかもしれない。金融システムの透明性と説明に関して世界的な対話が始まるまで、僕たちはここにいたいんですよ」とカリストは言った。

 
 抗議活動家の多くが知っていることの一つは事実と数字である。世界平和について語るヒッピーや世界を癒したいと願う旅行者がいる一方で、それと同じくらいの人が指摘するのは、アメリカの富裕層が支払っている税率であったり、アメリカ国民の20%が今では国富の84%を意のままにしているという事実である。または、最も裕福な400のファミリーが全国民の下位50%と同じ純資産を持っているという事実である。


  うっとり眺めていた建設作業員の一団の前で上半身裸でポーズをとっていたときのあのティッカでさえ、用意周到に抗議をしていたのだ。彼女の横には看板があって、そこにはこう書かれていた。「私は「見て」と言ったわけじゃない。「聞いて」と言ったのよ」。



」(おわり)








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