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冬の森

  最近、私の子供は、どこがと言うことでもないのだが、すこし思わしくない。
  ちょっとしたことにめげて投げやりになったり、依怙地になったり、無目的な遊びに興じたり、不意におねしょしたり・・・
  あまりパッとしません。
  まあ、パッとしないように見えるのは、傍目から見た勝手な見方にすぎないのかもしれない。
  では、何なのだろう。誰も判らない。

  きっと、この寒さも関係しているのかもしれない。春になれば、変わるのかもしれない。
  でもそれは、時間が解決してくれるだろうなんてこととは違う。
  春はそんなものじゃないのだから。





  「  冬の森                 
                         すずき ゆかり

     一面の枯葉の下に
     何千何万の虫たちが
     ひっそりと息をひそめている

     木枯らしに耐える
     冬木立の梢の芯には 
     花の用意が息づいている
 
     痛みに沈む
     人の中にも
     喜びの気配が
     潜んでいるのだろうか

     春は
     どこからか与えられるのでなく
     私の中から
     生まれてくる

                                       」       (『まっすぐ空へ』(銀の鈴社)より)
 
 
 





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