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殺人率を高める資本主義 [海外メディア記事]

 亀井金融相の発言がいろいろな方面に波紋を広げていますが、それを紹介したイギリス『タイムズ』紙の記事です。
 
 亀井発言に眉をひそめる「投資家」、「アナリスト」が多くいる反面、それに拍手を送っている人も多くいるはず。好き嫌いは別にして、こういうトリックスター的な政治家がいると俄然政治そのものが面白く感じられると思いますが、「面白い」で片づけられることなのか、それ以上のことに発展してしまうのか、推移を見守りたいところです。
  

Leo Lewis, Asia Business Correspondent   From The Times October 7, 2009  

Capitalism raises murder rate,says Shizuka Kamei,Japan’s Finance Minister

http://business.timesonline.co.uk/tol/business/markets/japan/article6863802.ece


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「  資本主義は殺人率を高めると亀井金融相発言


  日本の新しい金融相となった亀井静香は日本株式会社に対する「驚くべき」正面攻撃を始めた。彼は日本の大企業が家族内の殺人率を高めていると言って非難しているのだ。


 亀井によると、家族内の殺人率が日本で上昇したのは「企業が人間をしかるべき仕方で扱うことを止めたから」である。

 彼の発言は、ここ数年日本の企業によってなされてきたリストラの努力や一時解雇を念頭に置いたものであることは明白だが、こうした動きがあったからこそ多くの企業が破産寸前の状態から救われたのである。


 アナリストたちは昨日、亀井氏の発言によって、鳩山由起夫新政権が反企業寄りのスタンスであることが疑問の余地なく明らかになったと述べた。鳩山政権は、8月に50年続いた自民党の支配を終わらせ新たに政権についたばかりである。

 選挙前も選挙後も、鳩山首相は「市場原理主義」(定義はあいまいだが)の悪影響を批判してきたが、これは、失業率が記録的なレベルに近い水準で高止まりしていて、デフレが再び物価を押し下げ、労働力の収縮が膨れ上がる年金生活者層を支えきれずにいるこの国では、政治的に功を奏した非難であった。


 亀井氏の哲学は、企業が「充分な」レベルの利益を考えながら、なおかつ利益の剰余分を経済の他の部門に還流させることが求められたかつての日本株式会社に戻れということらしいが、この慣行はしばしば恐ろしいほど非効率的であったし、多くの外国人の観察者に、果たして日本は資本主義の国なのかどうか疑問視させたほどのものだった。

 昨日、新政権は、利益を「汚い」ものと見なし企業には幅広い社会的義務を果たすように期待するイデオロギーに傾斜しつつあるのではという懸念が投資家の間に広がりつつある中、亀井氏は自分のこれまでの発言から距離を置くような気配を何も見せなかった。「市場のメカニズムと市場に基づく原理がわが国で支配権を握り始めてから、これまでにないほどの摩擦が不満や妬みから生まれるのをわれわれは見てきたし、こうしたものが殺人を生んできたのだ」と彼は言った。「こうしたトレンドを生んだ責任は大企業にあると言ったとき、私は本心から言ったのです」。


 家族内での殺人率のわずかな上昇と日本株式会社との間に明確なつながりがあるかどうかははっきりしていない。


 世界第二位の経済大国という地位にいながら、日本の自殺率は一貫して高水準を保ってきた。不況が深刻な時期には自殺率も上昇する。警察庁は、不景気のおかげで日本の輸出産業から自殺者が続出している今年度、自殺者の増加には警戒を強めていると発表した。


 日本株式会社にとっての最大の変動は、2001年から2006年の小泉純一郎の首相在任中にやってきた。小泉は改革者を自認しており、亀井氏の不倶戴天の政敵であった。二人は郵政民営化の問題で激しく争った。その対決は、その時は、小泉が勝利を収めたが、新政権の下でそのようなことは決して起こりそうにない。


 小泉氏の首相時代、労働法の改正によって企業は短期契約でかつてないほど多くの人を雇うことが可能になったが、これは日本経済の「終身雇用」の精神を蝕んでいった。その改正の結果記録的な利益が生み出されたが、古い制度の消滅は、亀井氏の見解によれば、家族内の不和の増大を生み出した。日本の影響力ある企業連合である経団連は特に責任を感じるべきだ、と彼は言った。

 
 以前、経団連会長の御手洗富士夫と会ったとき、亀井氏は「かつて、経済が好調だったとき、大企業の経営者たちは中小企業と資本を分け合ったものだが、しかし今や、彼らはその金を内部留保としてため込んでしまう」と言ったのである。」







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